for me ~雑読家のしおり~

本を読んでいる間だけは、無心で自分と向き合える時間。”読みたいを届けたい”をモットーに今日が少しだけ良いものになる、そんな言葉をお届けします。

【書評・感想】猫を抱いて象と泳ぐ――ただ駒がルール通りに動いていないだけ

「猫を抱いて象と泳ぐ」文春文庫 小川洋子/著 【※この記事は、ネタバレを含みます】 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 将棋が趣味の私にはドストライクな小説でした。 「勝って当たり前の局面を本当の勝ちに持ってゆくのは想像…

【書評・感想】「世界は贈与でできている」――ボランティアはどのような場合に偽善と見なされるのか

『世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』ニューズピックス 近内悠太/著 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 本書の特筆すべき点は贈与を受け取る側の視点で「無償の愛」「正義」などの本質を説明している…

【書評・感想】「子どもの脳を傷つける親たち」――夫婦げんかはLINEの中で

「子どもの脳を傷つける親たち」NHK出版新書 友田明美/著 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 普通に重めの内容でしたね。でも、ちゃんと向き合わないといけないお話。 「虐待」より広めの概念である「マルトリートメント」(不適…

【書評・感想】「コンビニ人間」――「店員」という架空の生き物を演じる。

「コンビニ人間」文春文庫 村田沙耶香/著 【※この記事は、ネタバレを含みます。 】 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 久しぶりに文学作品を読んだなという感じがします。 序盤と終盤で作品の印象ががらりと変わる。 序盤は猫の…

【書評・感想】「政治的に無価値なキミたちへ」――古代から一貫して、労働の本質は苦痛だ。

「政治的に無価値なキミたちへ――早稲田大学政治入門講義コンテンツ」大田比路/著 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 筆者も最初に指摘していますが、本書は「政治学」の教科書ではありません。 あくまで「政治」の入門書です。 …

【書評・感想】「グラスホッパー」――人としじみのどちらが偉いか知っているか?

「グラスホッパー」KADOKAWA 伊坂幸太郎/著 目次 はじめに 著者 概要 印象的なフレーズ おわりに はじめに 伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ一作目です。 最近KindleUnlimitedに追加されたので、 4度目か5度目の読み返し。 主人公の鈴木は伊坂作品の中で最も没個…

【伊坂幸太郎】「いい人の手に渡れ!」――5分で読めるメルカリのTwitter小説が神すぎる件

「いい人の手に渡れ!」 伊坂幸太郎/著 Twitter眺めてたら、伊坂幸太郎のショートショートが 流れてきたんですけど! 株式会社メルカリが4月28日に「モノガタリ by mercari」という企画を始動させました。 10名の豪華な作家陣が「モノ×物語」をテーマにスト…